参考:勉強会資料

慢性症状はなぜ右肩に照射するのか

・・・しかも慢性と急性で当て方が違うのはなぜか


【はじめに】

急性の怪我や痛みはその部分に照射しますが、慢性の症状には右肩だけへの照射で治癒していきます。なぜなのでしょうか。腰が悪くても膝が悪くても、慢性ならば右肩。常識的に考えれば悪いところに照射するのが普通ですが、慢性の場合は悪いところに当てすぎると一時的に楽になったように見えても、すぐに元に戻るか、場合によってはかえって悪くなることもあります。一体なぜなのでしょうか。
この疑問は光線照射と体液流動の関係を考察することによって解けます。

【光線照射と体液流動】

急性の傷は組織が傷つけられた時に、傷つけられた細胞からセロトニンやヒスタミンという発痛物質や、脹れを引き起こす物質が周辺に放出されることによって、患部は周辺までが痛くて脹れあがってしまいます。ところがこの発痛物質は、太陽光線を当てると収まっていくことが医学上わかっているといいます。当然脹れも引いてくるのです。
また、体液は42度以上になるとタンパクが変性を起こすため、人体は体温の恒常性を保つために体液を流動させることによって、42度以上にならないようにしようとします。そのため体液の流動は盛んになります。体液のことをリンパ液とも言いますが、以上のことを考察すれば、光線を身体に照射することで体全体のリンパの流れが活性化されるといことがわかると思います。

【急性症状と慢性症状の光線の当て方】

ところで、急性の症状は体全体の血液やリンパの流れが悪くなって起こるわけではありませんので、悪いところに光線を当て続けてもかまいませんし、そのほうが傷の修復には効果があります。
しかし慢性症状の場合は急性のしくみとはまったく異なるものです。慢性症状は体全体の循環が悪いために、局所にその症状が現れているに過ぎません。仮にその局所に光線を当て続けていると、先述のように温度が42度以上に上がらないように体液は流動を早めます、局所の周辺は循環が悪いままになっています。そうするとどういうことになるでしょうか。
例えば高速道路でインターチェンジが混んでいるところを想像してみましょう。その状態で係りの人が、インターチェンジで混雑している車をすいている道の方にではなく、間違って混んでいる方の道の方に移動させているようなことになります。するとますます混雑がひどくなり、やがて他の所までが渋滞を引き起こしてしまうでしょう。
体の場合でも同じようなことが起こってしまいます。まずやらなければならないことは、混んでいるインターチェンジを速やかに交通整理して改札を増やし、スムーズに車が流れるようにしてやることです。体の場合も同様で、循環の悪いところを良くしてやることがまずやらなければならないことなのです。
ただし慢性症状の時には、悪いところに照射を続けるとさらに悪くなる、というふうに短絡的に考える必要はありません。症状によってはそうなる場合もあるということで、それほど神経質に考える必要はありません。30分から1時間ぐらいならば大丈夫で、悪いところだけに当てていても治らない、というふうに解釈すればいいと思います。

【胸腺の働き】

右肩照射は、心臓の近くにある胸腺と右リンパ本幹の働きを活発にすることができます。しかもこの部分は体の奥深くにあり、ほかの光線では届かないところにあります。太陽光線は身体を貫通しますので、太陽光線だけが届くことができると言っていいでしょう。
ところで胸腺は、体全体の免疫機構を統括する司令塔のような働きをする器官です。わかりやすく言えば高速道路全体の混雑状況を把握し、渋滞しているところに交通整理係(免疫細胞)を終結させ、速やかに混雑状態を解決するための命令を出すところと考えていだだければいいでしょう。ちょうど高速道路の一番混んでいるところが、慢性症状の場合でいうと、表に出ている症状だと言えます。
しかも新しくて元気な免疫細胞を生み出す命令を出すとともに、元気のない免疫細胞を元気にする働きも行っています。全身に混雑しているところがなくなれば、血液やリンパの流れは良くなり、その結果免疫細胞は組織の隅々まで行き届いて、痛んだ組織の修復をしやすくなるのです。これはあくまで長い間の臨床上、そうとしか考えられない推論ですが、右リンパ本幹はリンパの流れを活発にする働きがあるのではないかと思います。そのため、局所の症状が右肩照射だけで消えていくのです。

しかも慢性症状は、局所に症状として現れた部分の免疫力(悪い部分を修復する力)が弱っているわけであるから、その部分を照射しても、温めると痛みが和らぐのと同じで、一時的に良くなったかのように見えるが、肝心の免疫力を強くしてやらないことには組織は修復しないことになります。最近の研究では、慢性症状を持っている人の血液を調べると、免疫細胞は確かにたくさんあるが、働かずにじっとしているものが多いということがわかっています。つまり、免疫細胞を増やすことは大事ですが、働きの悪い免疫細胞を活性化させてやることの方がもっと大事なのだということです。そして先述のように、免疫を活性化する命令を出すところは胸腺という器官であり、症状のあるところに光線を当てただけでは、活性化はされないと考えていいと思います。
以上が慢性症状の場合になぜ右肩に照射するのか、また急性と慢性の場合には何故当て方が違うのかということの、理論的な根拠であります。

執筆:南都嘉宏


若木式(わかきしき)光線治療器バリブル日本ヘ ルスファームのサイトから購入していただくことができます